毬「もうずいぶん前になるね、家に絵画を飾ったでしょ?」

苗「うん」

毬「あの時は仕事に家事に育児に、いろいろ大変だったの。たまに息抜きしても、疲れて休んでても文句を言われてね」

苗「そうだね」

毬「その時、絵画。美術品……芸術。そういうものに出会って、少し救われた気がするの。忙しくても疲れても、悲しくても辛くても、絵を見ると頑張れたの」

苗「うん。そういえば、その時から家を美術館にしたい。って言ってたものね」

毬「あの時は本当に叶うはずがない。って思ってたけど」

苗「夢は声に出したら叶うものだよ」



苗「私も手芸やっているときは嫌なこと忘れて夢中になれたな」

毬「嫌なこと?」

苗「子どもを育てたい。って夢があって、でも私は不器用だから仕事しながらだと両立する自信ないから、そのためには仕事をやめても生きていけるお金と、子どもを育てるための時間が欲しくて。在宅で仕事できないか必死になってた」

毬「そうなんだ」

苗「子どもとずっと一緒にいたいけど、私が働かなくちゃ生きていけないから家にいてもできる仕事がしたいな。って」

毬「そこでギャラリー毬苗。美術館をやりたい私と、子どもと一緒に働きたい苗ちゃんと」

苗「毬と私の夢だね。だから『毬苗』」

毬「私も孫の顔を見るのが夢だったの」

苗「私は在宅で自分の作品を売ったりしてみたいと思ってたし、今でもそういうのが出来たらいいなと思ってる」

毬「誰かの心のこもった作品は綺麗だよね。絵でも工芸品でも手芸でも。お菓子も良いよね。そういうものに触れあって生きていきたいね」

苗「心の支えになるよね。絵のある暮らしはこんなに癒されるものだって世間に伝えたい」

毬「実際に私たちは芸術に救われたから。そして今度は何かを作り出すことができる人たちのことも応援したい」

苗「作品を発表する場所が必要だね」

毬「そのための場所はある」

苗「商業系の高校出身なのでパソコン、簿記とかの知識はある」

毬「……そうして何となく始めたのがギャラリー毬苗」

苗「まぁ、二人とも何となく夢を抱えてて、毬が入院したのをキッカケにオープンさせた。って感じだよね」

毬「入院したら心身ともに健康になって、やる気が出てきたの」

苗「私も妊娠出産でそれまでもやもやしてたものが一気に払拭されました」